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ワークフロー入門物語⑤
監査が入った!

ワークフロー物語:サムネ (8)

こちらの記事で紹介する物語は架空のものです。一見、時代設定や登場する状況が現実と異なるかもしれませんが、これらはただの背景情報です。物語の核心は、実際のビジネスシーンに溶け込む業務やワークフロー、そして稟議書の作成と利用といった要素です。

この物語を通じて、ワークフローシステムの役割や、それが組織内のコミュニケーションをどのようにスムーズにし、そしてその結果、業務効率がどう向上するのか理解を深めて頂けると幸いです。

透明性の試練

物語は、東京郊外に位置する中小製造業の企業「フクヤマ製作所」で始まる。一年の大半を工場の騒音で過ごす従業員たちが、この日だけは特別に緊張感に包まれていた。それもそのはず、国税庁の査察が突然入ったのだ。

 

企業の財務部長である五十嵐淳一は、冷や汗を流しながら査察員たちを受け入れた。そして、査察員から最初の疑問が飛び出す。

 

「フクヤマ製作所さん、私たちが気になっているのはこの「サクラダシステム」への業務委託費用です。大きな金額が動いていますが、これについて詳しく教えていただけますか?」と尋ねる査察員。

 

五十嵐は窮地に立たされる。「サクラダシステムには、私たちの製造業を支えるシステム開発を任せています。しかし、具体的な稟議書や作業報告書はなく、開発進行状況は担当者が実地で行い、支払額は毎月の請求書で確認しているだけです」と答えると、査察員からさらなる疑問が投げかけられる。

 

査察員は更に詳細について尋ねる。「それでは、システム開発の具体的な業務内容や進捗状況、成果物などのエビデンスは存在しますか?通常であれば、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラムソースコード、テスト計画、テスト結果報告、運用マニュアルなどが具体的なエビデンスとなります。また、どのような形でサクラダシステムに業務委託する社内意思決定をしたのでしょうか?稟議書はありますか?」と詳しく挙げる。

 

五十嵐は驚きと困惑で顔を覆う。「それらの詳細なエビデンスや稟議は、今のところ手元にはありません…」と小声で答える。

 

査察員は冷静に告げる。「これでは、お金が何のために使われ、業務がどのように進行しているのかが非常に不透明です。普段からしっかりとしたエビデンスの収集と意思決定の透明性が大切です。しかも、費用がこれだけ大きければ、それにより利益が減少し、納税額が減少します。こうした大きな出費に対しては、適切なプロジェクト管理とエビデンスが必要です。」

エビデンスの救済

五十嵐は国税庁の査察員の言葉を真摯に受け止めると、直ちに「サクラダシステム」の担当者である佐藤へ連絡を取る。「佐藤さん、システム開発に関する過去の作業の詳細な報告が急遽必要になりました。国税庁の査察が入り、業務委託の証憑が求められています。」

 

佐藤は驚きつつも、「了解しました、五十嵐さん。こちらの不手際、深くお詫び申し上げます。できるだけ早く過去の作業の記録を整理し、報告書を作成してお届けします」と返答した。

 

一方、フクヤマ製作所では、五十嵐が深く反省していた。「これまで業務委託に関するエビデンスの収集が不十分だった。普段から詳細な報告を求めるべきだった」と彼は心の中でつぶやいた。

 

その数週間後、再びフクヤマ製作所を訪れた国税庁の査察員たち。五十嵐は、佐藤から受け取った作業報告書を提出した。「これが「サクラダシステム」から受け取った作業報告書です。詳細な業務内容が記載されています」と査察員に説明する。

 

査察員は作業報告書を受け取り、詳細に目を通す。そして、しばらくの沈黙の後、「理解しました。今回の作業報告書を受け取ったことで、より具体的に業務が進行していたことが理解できました。ただ、これからは定期的な報告書の提出をお願いします。これは、あなた方が税金を適正に支払っている証明にもなりますから」と査察員は語った。

エビデンスの重み

その後、五十嵐は業務委託に関する適切なエビデンス収集と透明性の確保に努めることを誓った。そして、フクヤマ製作所とサクラダシステムとの契約には、定期的な作業報告が義務付けられることとなった。

 

佐藤は「今後は定期的な作業報告書の提出を約束します。また、フクヤマ製作所に納得のいくサービスを提供するために、透明性を重視したコミュニケーションを心がけます」と五十嵐に伝えた。

 

それから数ヶ月後、再度訪れた国税庁の査察員は、前回とは違い、五十嵐からしっかりと整理された作業報告書を受け取った。業務委託の詳細なエビデンスが提示され、その実態が明確になったことで、国税庁も納得した。

 

「フクヤマ製作所さん、前回から大きな進歩を見せていただいて、私たちも安心しました。これが、税務調査の目的です。事業者が自主的に税務管理を整え、適切な税金を納めることを促進することなのです」と査察員は五十嵐に伝えた。

 

これまでの経験から学んだ五十嵐は、企業経営におけるエビデンスの重要性を再確認した。「事業活動を適切に進めるためには、確固たる証拠となるエビデンスの収集が不可欠だ。これは、自社だけでなく、委託業者との間でも同様だ」と彼は強く認識した。

 

そして五十嵐は、社内全体に対してエビデンス収集の重要性とその具体的な手法についての教育を行った。これにより、フクヤマ製作所はさらなる透明性と信頼性を得ることとなり、それは最終的に企業の成長につながったのだ。

 

そうして、この事件は五十嵐にとって、そしてフクヤマ製作所にとって、大きな教訓と成長のきっかけとなった。今後、五十嵐はこの経験を生かし、フクヤマ製作所をさらに成長させていくことを誓ったのであった。

このストーリーから、
いくつか重要な教訓を引き出すことができます。

①エビデンスの収集

: 業務遂行における適切な証拠、すなわちエビデンスの収集は極めて重要です。それは具体的な業務内容、成果物、進捗状況など、具体的かつ検証可能な形での記録を含みます。これにより、業務の進行状況や成果を明確に把握することができ、問題が生じた際に迅速かつ適切に対応することが可能となります。

 

②透明性の確保

: 業務委託においては、その内容や結果がどのように企業の成果や成長に寄与しているかを明確に理解することが必要です。それは企業内部だけでなく、取引先や監督機関に対しても透明性を保つことを求められます。

 

③適切なプロジェクト管理

: 業務委託にはしっかりとしたプロジェクト管理が求められます。それには、定期的な報告、明確な業務範囲と期限の設定、明確な役割と責任の割り当てなどが含まれます。

 

④意思決定の根拠と透明性

: 業務委託を含む重要な意思決定には、その根拠と過程が明確であることが求められます。稟議などを通じて、意思決定過程を文書化し、透明性を確保することが大切です。

 

これらの教訓は、フクヤマ製作所のような企業だけでなく、多くの組織や個人が業務遂行において考慮すべき要素です。これらを遵守することで、業務の効率性と信頼性を高め、組織全体の成功に貢献することが可能となります。

 

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